【コラム第四弾】外国語習得のために必須の3つの要素(その2)

本日は大阪府公立入試の日です!

2022年度、英検2級を受験された生徒さんがみんな無事に合格できた秘訣はまさに英作に尽きます。「書くことは徹底的に考えること」なので決して小手先ではできない芸当です!

英作文といえばアウトプット。

さて、コラム第四段です!!

アウトプットは本当に必要か?

適切な外国語学習のために必要な2つ目の要素

前回は、外国語学習に必要な3つの要素のうち、1つ目のインプット、入力についてお話ししました。

今回は、2つ目のアウトプット、出力についてお話ししようと思います。

前回紹介したように、インプットは外国語学習において非常に重要な役割を果たします。

実際、インプット仮説を提唱した、クラッシェンに加えて、日本人の松本亨氏は英語学習について

”Listen more, speak less. Read more, write less.”

を提唱していました。つまり「アウトプットするよりインプットしろ!」ということです。

実際、外国語習得において、インプットをすることが必要条件であることは、多くの研究者の意見が一致していますが、アウトプットはそこまでの評価を得ていません。

そもそも、アウトプットが重要であるという仮説を打ち出したのは、メリル・スウェイン(トロント大学オンタリオ教育研究所の名誉教授)彼女は、イマージョン(ひたすら、外国語で科目の授業を受ける指導法)の教室に着眼点をおいて、調査しました。

そこで分かったことは、いわば、インプットの連続であるのがイマージョンなわけですが、確かにそこでリスニング力は、ほぼ完璧にマスターできたようです。

しかし、文法能力や、場所や状況に応じて使用する言語を変える力(社会言語能力と言います)は、不十分だったと報告しています。

そこから、彼女は、インプットしているだけでは、不十分であるとして、アウトプット仮説」を提唱したのです。

では、アウトプットには、どんな効果が期待できるのでしょうか?

まず一つ目に、アウトプットすることで、自分の細かな文法知識の内省、振り返りができることです。

人間は、何か物事を聞いたり読んだりする時、細かな文法のマーカー(複数形のs、過去形のedなど)よりも、内容語(名詞、動詞など)に注意がいきます。

下の例文を読んでみてください。

a. I practiced tennis yesterday.

b. I practiced tennis today.

aの方は実は、practicedの ”ed”  よりも ”yesterday”の内容語に注意が向くので、意味を捉える場合、文法に注意があまり向きません。

一方で、b の文では、todayだけでは、時制が不確かであることから、ある程度の注意が文法に向けられることが考えられます。

全てのインプットが必ず、bのようなインプットとは限らないため、インプットしているだけでは、細かな文法が確かに自分に定着させることは難しいという主張です。

さらに、そのインプットしたものが身についているのかどうか確かめようがないのです。

極端な例ですが、”I practice tennis yesterday.” とアウトプットを試みて、「あれ?practiceに何か付けなかればいけないんだっけ?」という自分の中での「気づき」を生み出すチャンスになるのです。

次に、アウトプットは自動化を進めるということです。自動化というのは、宣言的知識から、手続き的知識へと移行することです。

(宣言的?!手続き的?!?!なんだそれ!!)

宣言的知識というのは口に出して言うことができる知のことです。

例えば自転車の運転で言うと「サドルに腰掛けて、ペダルを左で踏んで、次に右で踏む、それを繰り返す。その時に左右のバランスをしっかり取る」。

でも、この説明ができる、または、わかるからと言って、自転車を運転できるわけではないですよね。

「実際に、言葉にはできないけど、自転車の乗り方は体が覚えている」というのが手続き的知識です。

英語学習に喩えると、「主語がIとyou以外で、単数のものの場合は、続く動詞に”s”がつきます。」という、宣言的知識はあっても、実際英語で話したり書いたりするときに、忘れずに三単現のsが付けられるという、手続き的知識があることとは別だと思います。

アウトプットをしていく過程で、この宣言的知識から手続き的知識への移行、つまり自動化を促進させることができるということです。

語弊はありますが、簡潔にまとめると、

“知ったことを繰り返し使うことで、使えるようになっていく”、ということなのです。

さあ、今回も理論の話を前置きとしてしましたが、実例をもとに効果的なアウトプット活動について考えていきましょう。

(2)毎日、英語で日記を書く

(6)ネイティブスピーカーと話をする

前々回の選択肢の中では、この二つがアウトプットの活動になります。(6はインタラクションとも捉えられます。)

(2)の毎日、英語で日記を書く

というのは、比較的良いアウトプット活動です。ここでの、一番の学びは、自分が「書きたいこと」と「書けること」のギャップに気づくこととです。

「今日は、わざわざ隣の市のスーパーまで買い物しにいった。と言いたいけれど、わざわざって何て言うんだろう?」そんな時に自分で調べて書いてみる、この過程が、英語学習を促進させます

逆に、「この表現は知らないから、別の方法で書けないかな?」と考えることも、コミュニケーションの成立させるためには効果的(補償法略と言います)であると言えます。

しかし、大きな落とし穴は、間違いに気づかないまま、アウトプットを続けてしまい、それが固まってしまうことです。

それを防ぐためにできることとして、3つ目の要素「インタラクション」が入ってくるわけです。

ここに関してはまた次回詳しく解説します。

(6)ネイティブスピーカーと話をする

こちらに関しては、インプット・アウトプットも兼ね備えるわけですから、効果は非常に高いと言えます。

上のようなライティングでは、即時性が求められないため、少し考えることができますが、会話では、あまり長い間考えるわけにもいきません。

そういった点で、意味のある貴重な、アウトプット活動と言えるでしょう。

ただ、この活動から得られることを、何倍も膨らませるためには、効果的なインタラクションの活動について知っておく必要があります。

日本にいては、こんな活動滅多にないですから、より一層効果が期待できるものにできるように、基本を知っておくことが大事です。

☆まとめ☆

・アウトプットは、インプットほど重要視されていない一方で、外国語学習の中で重要な役割を果たすことがわかっていること

・特に、文法知識の確認を行うことや、自動化を促すことに効果があるということ

・アウトプットの活動をする中で効果的なインタラクションについて知っておくことも大事であるということ

また、次回詳しくお話しします!

この辺りで皆さんお気づきのように、インプットの活動、アウトプットの活動、インタラクションの活動はそれぞれ完全に引き離すことはできないのです。だからこそ、前々回は、これら3つの要素を「有機的に結びつける」というような説明をしたのです。

さあ、次回は、インタラクションについて詳しく解説します。

今日からまずは、インプットアウトプットの活動を見直してみましょう!

(当塾の生徒さんはみなさんインプット・アウトプット非常に頑張ってらっしゃいます!)

キッズイーホーム中学生部